「弱さ」を受け入れる
THE ORAL CIGARETTESのボーカル・ギター、山中拓也の著書「他がままに生かされて」を手にした。彼の30歳の誕生日に発売されたエッセイ本。
元々彼の人間性が好きで興味があったということもあり、以前から発売を心待ちにしていた。
ライブではステージ上で一番歓声を浴びる彼が自身を「弱い人間」と語る真意や、楽曲をより深く理解したいと思っていた私にはうってつけの本だった。
本を読み終わった時、これまでの彼の楽曲、表現の真髄に触れられた気がした。しばらくの間、何か大きなものがずっと胸の奥にあった。
幼少期から他人が苦手。
いじめを受けた。
高校にも上手く馴染めなかった。
下積み時代は大人への不信感が募った。
そんな人が、今は人との繋がりを大切にし「僕の人生は、人と繋がり広がっている。」とまで言っている。
その事実が他者と関わることが苦手な私のような人間を勇気づけてくれた。
「自分は弱い人間だ」という言葉の意味もわかった気がする。
彼は悩み、不安、コンプレックス……色んなものを抱えていた。
誰でも抱えているものだが、彼は人よりも多くそれらを抱え込んでしまう人のように思う。
でも、彼は抱え込んだ自分の弱さと対峙する。弱さを受け入れて、武器にした。
コンプレックスである声をボーカリストとして活かしたように。
そして、オーラルの代名詞とも言える「闇」を表現した曲達は彼の弱さから生まれたものなのだ。
そのことは私達にも光を見せてくれる。
決して容易なことではないが「弱さ」を受け入れることが出来れば、確実に自分自身の力になる。
止めどない「弱さ」を消し去ることは出来ないが、向き合って受け入れようとする。
正解のない対峙に新たな道を教えてくれた。
このことは誰にとっても大切なことなのではないだろうか。
私はこの著書を読み、改めて彼の人間性が好きだと実感した。
共感することも、気付かされることも沢山あった。
きっとこれから自分が生きていく中で、思い悩んでいく中で、何度も開くことになるだろう。
彼はTHE ORAL CIGARETTESを通して、私達に本当に多くのことを伝えてくれる。
人と人との繋がりの大切さ
自分の目で物事を見極めること
1人ではないこと
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体現することで私達に示してくれる。
また違った光を見せてくれる。